議決権行使ガイドライン
(目的)
当ガイドラインはセイリュウ・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」という)における議決権行使方法に関する基本的考え方、意思決定に係る権限等、議決権判断基準、およびプロセスを定めることにより適正な投資運用業務の推進を補助することを目的とする。
(定義)
「再委託先運用機関」、あるいは「再委託先」とは当社の「運用権限の委託に関する規程」の対象となる運用財産の運用を行う権限の一部を委託された運用機関をさす。
「投資対象ファンド運用機関」あるいは「ファンド運用者」とは、当社が組み入れたファンドの運用者をさす。
「再委託先等」とは、再委託先運用機関および投資対象ファンド運用機関をさす。
「エンゲージメント戦略」とは、エンゲージメントを主とする日本株式戦略をさす。
「その他株式戦略」とは、エンゲージメント戦略以外の日本株式戦略をさす。
(再委託先等を前提としたビジネスモデル)
当社は、投資家であるお客様・受益者の資産の保全、拡大を運用目標と定めているが、現状、日本株式投資の自家運用は行っておらず、再委託先等を選別し、その運用戦略を採用・提供することを通してのみ目標の達成を目指している。従って当社の議決権行使は原則として再委託先等を通して行う。ただし今後、再委託先等を前提としたビジネスモデルを変更し、当社で自家運用を開始する際には、当ガイドラインを改訂する必要性があることに留意する必要がある。
(議決権の指図行使に係る基本姿勢)
議決権の指図行使は受益者の利益を図るためにのみ行うべきである。
運用部は再委託先等を選定する際、再委託先等の議決権行使体制が受益者の利益を図る体制となっているかどうかを確認する。
(議決権の指図行使に係る意思決定プロセス及び体制等)
再委託先等のうち、エンゲージメント戦略の議決権行使状況に関しては、運用部担当者は再委託先からの資料をもとに投資政策委員会で報告を行う。
その他株式戦略の議決権行使に関しては、運用スタイルにより議決権行使結果の開示が困難な場合もあることから、運用部担当者は再委託先等の議決権行使体制を確認し、投資政策委員会で報告を行う。
再委託先等が議決権の指図行使をすることができない場合、当社運用部担当者は当ガイドラインの議決権判断基準に基づき原案を作成する。原案に基づく意思表示は原則として投資政策委員会の承認を得た上で行われる。ただし、緊急やむを得ない場合は、投資判断者が承認し、投資政策委員会へ事後報告され、追認を受けるものとする。
(議決権判断基準)
当社が議決権を行使する場合、以下の判断基準に従い議決権を行使することを目指す。
会社機関に関する議案
・取締役の選解任に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・監査役の選解任に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・会計監査人の選任に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
役員報酬に関する議案
・役員報酬(役員報酬改定、ストックオプションの発行、業績連動型報酬制度の導入・改訂、役員賞与等)に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・退任役員の退職慰労金贈呈に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
資本政策に関する議案(定款に関する議案を除く)
・剰余金の処分に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・組織再編関連(合併、営業譲渡・譲受、株式交換、株式移転、会社分割等)に関しては基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・買収防衛策の導入・更新・廃止に関しては、十分な情報開示がなされ、中長期的な企業価値の向上に資すると判断できない場合には反対する。
・その他資本政策に関する議案(自己株式取得、法定準備金減少、第三者割当増資、資本減少、株式併合、種類株式の発行等)に関しては、十分な情報開示がなされ、中長期的な企業価値の向上に資すると判断できる場合には賛成する。
定款に関する議案、その他の議案
・定款に関する議案は基本的に賛成する。ただし、重要情報の開示が不十分の場合は反対する。
・その他の議案に関しては十分な情報開示がなされ、中長期的な企業価値の向上に資すると判断できる場合には賛成する。
株主提案
株主提案議案については、中長期的な企業価値の向上に資するか、企業価値の毀損に繋がるものではないか、またはコーポレート・ガバナンス上問題があるものではないか等を基準に個別に判断する。
(根拠データの保存)
個々の議案を当ガイドラインに従い判定し、「賛成」以外の意思表示を行った問題となる議案があった場合には、当該議案に係る株主総会通知書、問題となる理由及び意思決定の理由等根拠となる記録を、指図を行った日の属する計算期間の終了後5年間は保存する。なお、議決権の指図行使に当たって、投資信託及び投資法人に関する法律施行規則第26 条及び別表第1により、指図書を作成し、保存することとなっていることに留意する。
(議決権行使状況の開示)
エンゲージメント戦略の場合、再委託先等の議決権行使の結果を開示する。その際、当社スチュワード責任方針に従う。
その他株式戦略の議決権行使に関しては、運用スタイルにより議決権行使結果の開示が困難な場合もあることから、議決権行使結果の集計を公表することはCIOが個別に判断する。議決権行使の結果について開示する場合には、以下の項目を原則として5月及び6月に開催された株主総会における議決権行使の結果を取り纏め、8月末を目途に開示する。開示スタイルに関してはジャパン・スチュワードシップ・イニシアティブ(JSI)のスマート・フォーマットに含まれる「議決権行使状況」表を参考にする。
(議決権の指図行使)
当社は、投資信託財産として有する株式に係る議決権の行使について、次の各号に定めるところにより、その指図を行うものとする。
(1)当社がその運用の指図を行う投資信託財産として有する株式に係る議決権の行使の指図については、書面をもって行うものとする。ただし、当社が、あらかじめ運営機関(電磁的方法による議決権行使システムを運営している機関をいう。)及び受託会社と合意し、電磁的方法により議決権の行使を行う場合には、この限りではない。
(2) 当社は、受託者に対し、株主総会招集通知書に記載された各議案について、次の意思表示を明示するものとする。
(イ)議案に対し賛成であること。
(ロ)議案に対し反対であること。
(ハ)当社を代理人として白紙委任すること。
(ニ)棄権すること。
(議決権行使助言機関利用)
議決権行使助言機関の利用は可能とする。
(所管)
このガイドラインの所管は、運用部とする。
附則
このガイドラインは2025年10月30日から施行する。